記事一覧

なぜ「ときど優勝」で格ゲーマーは泣いたのか 東大卒プロゲーマーの情熱と“友情、努力、勝利”

こんにちは~🎵お疲れ様です😆🎵🎵

【Yahooニュースより】



ラスベガスで開催された世界最大の格闘ゲーム大会「Evolution 2017(EVO2017)」。ストリートファイターV部門の決勝のカードは、無敗のまま決勝に駒を進めたアメリカの怪物プレイヤー「パンク」と、東大卒プロゲーマーとして知られる古豪「ときど」。パンクは、決勝でときどと当たるまで圧倒的な力で対戦相手を蹴散らし続けており、誰もがパンクの優勝を予想していた。

【勝負を分けた、「瞬獄殺」でのKOシーン】

 しかし、フタを開けてみればときどの圧勝で内容もほぼ完璧。あっけない勝利にも思えるが、かつてのときどを知る格闘ゲームファンなら、これがどれほど苦難の道のりだったのか分かるはずだ。「パンクが強敵だった」それだけで済む話ではない。格闘ゲーマーの中では「泣いた」というツイートも多かった。

 例年1000人以上が参加する超激戦区のEVOストリートファイター部門だが、実は日本人が優勝することは珍しいことではない。ゲームセンターという文化が根付いている日本には、カリスマプレイヤーのウメハラを筆頭に多くの強豪ゲーマーがいる。事実、EVOのストリートファイター部門は、近年だけでも2009年、2010年にウメハラが連覇、2011年と2015年にも日本人が優勝している。しかし、EVO優勝でここまで大きな盛り上がりを見せたのは過去にはなかったことだ。

 なぜ、ときどの優勝は人々をこれほど感動させたのか――EVO2017の中で起きた劇的な展開はもちろんだが、それだけでは説明しきれない。この圧勝の裏側には“長らく苦楽を共にしてきた友の存在”や、“才能に頼らずに積み重ねた努力”という王道少年漫画のような「友情、努力、勝利」の展開があったことを、古くからの格闘ゲーマーは知っているはずだ。

●合理性だけを求め続けたときど

 “僕が勝てるのに理由があるとしたら、それは、誰よりも練習するからに他ならない”(「東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない」28P)――自身の著書でそう記す通り、ときどは決して才能だけを武器に強くなったプレイヤーではない。正確な操作、読みの鋭さ、知識、冷静さを保つメンタル、戦略を組み立てる力、判断力……格闘ゲームに必要となるスキルはさまざまだが、おそらく最も“持って生まれた才能”に近い部分である反応速度は平凡だった。

 そのため、ときどは他のトップレベルのプロゲーマーと比較しても“小足見てから昇竜拳”のようなスーパープレイが非常に少ない。しかし、反応速度は凡庸でもその他の能力は非常に高く、特に流れるように“詰み”まで持っていく戦略の構築力と、それを生み出すための練習量は飛び抜けたものがあった。

 そんな“東大卒”にふさわしい実直さとクレバーさを持ったときどのかつてのプレイスタイルは、なんともつまらないものだった。スーパープレイが少ないからではなく、何度「プレイスタイルが寒い」と批判されても、いかに消極的な行動だろうと、勝利のための合理的なプレイを徹底したからだ。例えば2003年、格闘ゲームの全国大会「闘劇」の「カプコン VS SNK2」ではわざわざ最強キャラクターを使用し、バグ技を容赦なく連発し優勝した。ときどはそういうプレイヤーだった。

 2008年稼働のストリートファイターIVでも、ときどは当初から最強クラスのキャラクター「豪鬼」を使い、強引に相手をダウンさせ、そのまま回避困難な起き攻めで圧倒するというプレイを続けていた。分かりやすく言えば、最強のキャラクターを使い、最強の戦術で合理的かつ効率的にプレイしていたということだ。徹底的に冷ややかなプレイを続けたときどは、ときに「アイスエイジ」とからかわれていた。

 どれだけ「見ていてつまらない」といわれても、機械のような正確さで勝てるプレイをする。もちろん、その頃のときどは強かった。しかし思うような結果は得られなかった。合理的プレイの限界を感じたときどは、国内で開催されたリーグ戦「トパンガリーグ」での手痛い敗戦をきっかけに、いつしか“ウメハラ”のような非合理的でも見ていて楽しめるプレイをするようになった。“勝ちにすぐさまつながらない選択肢の中にも、強さの理由はある”――それに気づいたときどは、少しづつ良い結果が残せるようになっていった。

 ストリートファイターIVシリーズは次々バージョンアップし、豪鬼よりも強いとされるキャラクターも出始めた。もはや豪鬼は最強キャラではない――プレイヤーの間ではそれが常識だったが、ときどは豪鬼を使い続けた。2015年、カナダで開催された大会で優勝した際、インタビューでときどはこう言った「このゲームは、豪鬼こそが最高のキャラクターだと信じている」。

●豪鬼がいなかったストリートファイターVと、「ときど豪鬼」の復活

 2016年、ストリートファイターIVシリーズの時代は終わり、ストリートファイターVがリリースされたが、このゲームにはかつて相棒だった豪鬼はいなかった。そんなストリートファイターVでときどが使用したのは、豪鬼と比較的近い技を持つ「リュウ」。

 ときどは、多くのプレイヤーがリリース直後のタイトルの研究に四苦八苦する中、持ち前のポテンシャルを発揮してすぐに活躍し、「世界最強のリュウ」として知られるようになる。この頃の強さは、「日本国内のストVプレイヤーの中では、ときどが頭1つ抜けている」という常識が生まれるほど。2016年のEVO前のインタビューではときど自身も「(注目選手は)僕です」と即答していた。

 しかし、それでもEVOは優勝できなかった。優勝したのは韓国の強豪「Infiltration」。彼はストリートファイターIVシリーズではときどと並ぶ豪鬼使いとして知られていたが、EVO2013では準決勝でときどと対戦し、敗北していたプレイヤーだった。

 2016年の暮れごろ、ストリートファイターVのバージョンアップが決定。それまで最強キャラクターの筆頭候補だったときどの持ちキャラクター・リュウが弱体化され、かつてときどが相棒にしていたキャラクター「豪鬼」がストリートファイターVに参戦することがアナウンスされた。

 豪鬼は攻め手は多いが体力は低く、崩されればあっという間に負けるキャラクター。敵の攻めをさばききることが難しいストリートファイターVでは、標準的な性能を持つリュウよりも難しいキャラクターといえる。しかし、ときどは持ちキャラクターに豪鬼を選択。「ときど豪鬼」が復活した瞬間だった。

 そして2017年。ときどはEVO前のインタビューで「一番豪鬼を使いこなせているのは自分だぞっていうのは毎回見せたい。そこだけは譲れない」と力強く答えていた。

●急激な成長をみせたパンクにストレート負け

 2016年には目立った成績を残していないにもかかわらず、2017年に急激にランキングを伸ばす選手がいた。彼こそがパンク。攻めに特化したキャラクターの「かりん」を使用しており、2016年にはときどとの対戦経験もあったが、その時はときどに敗北している。

 しかし、2017年は世界中の猛者が集まるカプコンプロツアーの大会ですでに3度優勝。これは勝ち続けるのが難しい格闘ゲームにおいて驚異的な戦績といっていい。一躍優勝候補となったパンクは、人間離れした反応速度と的確な攻めで、EVO2017でも当然のように勝ち続けた。そして、7月16日にウィナーズのベスト16で同じく順当に勝ち進んだときどと激突。2セット先取すれば次の試合に駒を進めることができ、負けた方は敗者復活に望みを託すしかない。

 序盤、ラウンドは取るもののパンクの猛攻を防ぎきれず、ときどは惜しくも1セット目を落とす。続く2セット目、1-1の最終ラウンドでときどはパンクを端に追い詰めた。体力もリードしており、絶好のチャンスだった。その時ときどは、セオリー通りジャンプして飛び道具の「斬空波動拳」を撃った。しかし、ジャンプに対し即座に反応したパンクはその技をくぐり抜けて着地の隙に強烈な連続技を決め、一気にときどを撃破。この瞬間、パンクの超反応によってときどは敗者復活戦に落とされた。

 誰もがパンクの反応速度に圧倒され、パンクの優勝を予想していた。無論、勝負の世界に「絶対」はなく、パンクが敗北する可能性もある。しかし、まるで高性能コンピュータのようなプレイをするパンクに、弱点は見当たらなかった。

 だがそれでも、パンクと再戦したときにときど有利に働くであろうポイントがこの時点で2つ考えられた。

 1つ目は、前日に対パンク戦で負けていること。皮肉にも、格闘ゲームでは同じプレイヤーと再戦するときに、負けた経験がプラスに働くことがある。負けた側は勝った側の行動を理解した上で対策を練ればよいが、勝った側は負けた側がどんな対策を練るかが予想しづらいからだ。勝った側は手薄な事前準備のまま再戦に臨み、予想外の手が飛び出せば試合中に修正するしかない。

 そして2つ目は、ときどがプロゲーマーとして活動する前から一緒にプレイしてきた戦友・マゴの存在だ。

 マゴとは、かつて同じ企業からスポンサードを受け、現在も同じマネジメント会社に所属し、週に一度はネットの生放送で共演している。マゴは、数々のタイトルを獲得してきた超トッププレイヤーで、ときどと共に時にはチームとして国内外の大会に出場し、時には一緒に戦術を研究していた。そんなマゴは、パンクと同じ「かりん」を使っており、必然的にときどは対かりん戦の経験が豊富で、かりん使いの思考も読み取りやすい環境にいた。

 この時のときどの心境は知る由もないが、ときどはきっと何度となく戦ったマゴとの経験を思い出し、考えたはずだ。かりん使いがどういう思考のもとでどういう行動をとるのか。マゴとパンクの違いも考慮し、豪鬼はどの技をどのタイミングで出すべきか。

 そして17日、当然のように無敗で決勝に勝ち進んだパンクと、何度も追い込まれながら辛くも決勝にたどり着いたときどの対戦が始まった。パンクは3セット先取した時点で勝利、一度負けているときどは3セットを2回先取しなければならない。ときどが圧倒的に不利な状況だった。

●再戦

 格闘ゲームにはさまざまな駆け引きがあるが、最も基本的なものに「打撃、ガード、投げの3すくみ」がある。打撃はガードで完全に防がれるが、ガードは投げに対して無防備で、そして投げは打撃を刻めばつぶせる。

 この中で、パンクの使う「かりん」の本命はずばり打撃だ。かりんの打撃に捕まれば、豪鬼の少ない体力はあっという間に溶かされてしまう。

 1セット目。打撃によるまとまったダメージを奪おうとするパンクを、ときどはガードを固めながら冷静に対処。ラウンドこそ落とすが、相手が前に出たい場面で冷静に技を置き、ときどが勝利。力を見せつけるように、本来は無意味な6ボタン同時押しの技で決めた。

 そのまま安定感のある立ち回りで3セット目、4セット目を連取し、まずはときどがパンクから3セットをもぎ取った。しかし前日に1敗しているときどは、もう一度3セット取ってはじめて優勝となる。本当の勝負はここからだ。

 そのころ、序盤は超反応を見せたパンクにも徐々に動揺が見え始め、想定外のタイミングでときどが放つ技に対し反応が鈍くなっていた。いくら鋭い反射神経を持っていても、完全に想定外の行動を取れば、対処は難しい。

 後が無くなったパンクの隙を突くようにときどはそのまま勝ち星を重ね、リセット後の1セット目もときどがもぎ取った。そして2セット目 、決定的な場面が訪れる。

 一進一退の攻防が続き、お互いがラウンドを取った最終ラウンド。もう1コンボで勝利が確定する状況でかりんを画面端に追い詰めたときどは、垂直に飛んだ。その動きはくしくも、前日に「斬空波動拳」を撃って負けた時と同じ流れだった。

 斬空波動拳を予想したパンクは、ここぞとばかりに相手の足元に潜り込む。逆転する最大のチャンス――のはずだった。

 ときどは斬空波動拳を撃っていなかった。本来であれば非合理的なセオリー外のプレイだった。ときどは足元にいるパンクめがけ、ジャンプの着地ざまにコンボを叩き込み、かりんを一気に気絶させた。無防備な相手へのフィニッシュブローに選んだ技は、豪鬼の代表的な必殺技「瞬獄殺」だった。

 そして3セット目、動揺を隠しきれないパンクは精彩を欠いていた。ラウンドこそ取るものの、相手の放った波動拳を踏むという初歩的なミスもあった。最後は相手の投げ抜けを読んだときどがコンボを決め、試合終了。圧倒的に優勢だと思われたパンクは、ときどが6セット取るまでに1セットしか取ることができなかった。

 勝負を決定づけたのは、反応を生かしたスーパープレイではなく、パンクの思考と反応速度を計算した「こいつならこの行動に反応するだろう」というときどの“読み”。百戦錬磨のときどらしい、前日の敗戦を生かした老練なプレイだった。

 決勝戦が終わった直後のインタビューで勝因を聞かれたときどは「古い付き合いの友達がいて、一緒に練習していた。彼はパンクと同じかりん使いだった」と言った。インタビュアーの「秘密のトレーニングパートナーか?」の質問には「秘密じゃない。自分にはマゴがいた」と大きな声で答えた。

 表彰される優勝者ときどの横で、パンクは眼鏡を外し目元を拭っていた。「こんなはずではなかった」という思いが、その表情ににじみ出ていた。

●格ゲー界の名勝負は、これだけじゃない

 EVO2017は、ときどの優勝で幕を閉じた。

 この一戦以降、その劇的な展開のおかげで、筆者の周囲はときどの話題で持ちきりだった。「ときどはどんな人なのか」「あの対戦でどんなスーパープレイがあったのか」「感動した」「すごかった」いろんな事を質問され、いろんな感想を聞いた。嬉しかった反面、少し悔しい思いもあった。

 なぜなら、感動できる格闘ゲームの試合は、今までもたくさんあったのだ。

 筆者が格闘ゲームに真面目に取り組みはじめたのは約15年前。人生の半分くらい格闘ゲーマーとして生きてきた。もちろん格闘ゲームのことは大好きだし、そんじょそこらのプレイヤーより多くの対戦を見てきたつもりだ。

 ネモ対小川、ガリレオ対どぐら、PR Balrogのバイソン対Infiltrationのハカン、闘劇でのヌキ対こくじん、ウメハラ対小川もすさまじい盛り上がりだった。「今までで一番すごかった試合は」と聞かれても、筆者は「ときど対パンク」ではなく「闘神激突の竹原対もっちー」と答えるだろう(とはいえ、ときど対パンクはその次くらいかもしれないが)。

 2D格闘ゲームの限られたタイトルしか知らないが、他のタイトルでもきっと同じような名勝負が同じくらいの頻度で繰り広げられていたに違いない。そして、そのような名勝負は今後も起こるのだろう。

●「ときどの試合に感動した」という格闘ゲーマー以外の人へ

 もし、格闘ゲームの世界を知らない人がときどの優勝をみて心から感動したなら、今後も格闘ゲームの観戦を続けることをオススメする。今年のEVOだって、何もストリートファイターVだけをやってたわけではない。他の種目でも、熱い試合はたくさんあったのだ。幸い、今はネット配信があるおかげで観戦のハードルはとても低い。

 見るのが退屈なら、プレイすればいい。ときどの勝利に感動できるなら、格闘ゲーマーになる素質は十分ある。ガチャガチャ操作して、CPU相手にたまにまぐれで勝って喜ぶ、そんな程度でいい。きっとどんなプレイヤーでも最初はそんなものだったはずだし、結局は楽しめればそれでいいと思う。プロゲーマーだって、そんなプレイヤーを心から歓迎するだろう。見て楽しめなくても、プレイすれば観戦する楽しさも分かってくるはず。なんてったって、格闘ゲームは見てもやっても超面白いのだから。

●日本のeスポーツの未来は

 強豪プレイヤーが多いにもかかわらず、日本はeスポーツ後進国だ。景表法の縛りのせいで高額賞金を出せる大会は無いし、プロゲーマーの評価も低いし、そもそもプロゲーマーの定義も曖昧なまま。テレビでゲームの試合を中継すると聞いて期待しても、たった30分の番組だったりする。大会が開かれても、足を運ぶ9割くらいはそのゲームのプレイヤーで、純粋な観戦者はほぼいないだろう。発展途上の日本におけるeスポーツは、まだまだ課題が山積みだ。

 でも、ウメハラやときどのようなスタープレイヤーが増えれば、そしてそのプレイヤーに感動する人が増えればどうなるだろう。もし、もっとeスポーツが世間に認知され、ファンが増えればきっと状況は変わるはず。ネットの「ときどブーム」を目の当たりにした今、そう思わずにはいられない。

 「eスポーツの面白さが、他の競技に負ける要素は無い」筆者は心からそう信じている。









Youtube,Amazon,Googleマップ,小林麻央ブログ,Google,楽天,DMM,Facebook,JRA,Twitter,zozoTown,UNIQLO,Gmail,郵便番号,楽天市場、価格.com,2ちゃんねる,じゃらん,クックパッド,楽天トラベル,東京オリンピック,稀勢の里,大相撲名古屋場所,高安,白鵬,お中元,
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

iphone7ブログ

Author:iphone7ブログ
自然フリー画像です。
どんどんフリー写真を投稿していきます。
フリー画像なのでダウンロード御自由にしてください。

カテゴリ